2025-09-22 / 最終更新日時 : 2025-09-25 teinenjoshi_master 9/13(土)定年女子カフェのレポート 毎月第2土曜日に開催している定年女子カフェの奇数月は「とくいなタイム」(※)を行っています。今回のとくいニストは、保険業界で働き続けて四半世紀以上になる会社員、加藤久美(ひさみ)さん。定年まであと2年、というタイミングでこれからどうするべきかを悩み、初めて定年女子カフェに参加しました。当時怪我をした高齢の両親の世話と仕事とを両立させながらの日々、勤務先ではセカンドキャリア準備のための研修やオリエンテーションもなく、不安だったと言います。そんなひさみさんが、これからの働き方を考えるために、起こし始めた行動について、具体的に話してもらいました。会場では1回め、2回目ともにセカンドキャリアを考えたい定年女子たちの熱気に包まれて終了しました。※とくいなタイム:定年女子はみんな、豊富な経験や得意なことを持っている。その「得意」をちょこっと教えてもらう時間が「とくいなタイム」です。 ★★★★★★ ■日時:2025年9月13日 1回目 13:30~15:30/2回目 16:30~18:30 ※リアルのみ開催■場所:中野区産業振興センター 3階会議室■テーマ:私がセカンドキャリアを考えたときに利用したもの■とくいニスト:加藤久美(ひさみ)さん【プロフィール】保険業界で働き続ける東京都在住の会社員。現在は定年後の雇用継続を選択し、損害サービス部に所属し査定業務に従事、火災保険、新種目保険を担当。細分化されていない社内では、事案担当者として扱う業務は幅広く、自動車保険を除くあらゆる事故対応や事故発生に関する調査・検証、更には訴訟事案までを担当し、お客様との交渉の日々。プライベートでは韓国訪問回数が50回超の韓国好きで、韓国に7カ月の滞在経験もある。 ★★★★★★ いつものように、まずは、参加者全員の自己紹介から始まり、その後、ひさみさんによる体験談のプレゼンテーション、そして最後にその話を受けて参加者同士で語り合うグループワークという構成で進められました。 ●ひさみさんのセカンドキャリア探求ストーリーひさみさんは、勤務先で特に研修もオリエンもないことを知り、自力でセカンドキャリアの模索を始めたと語りました。まずフェイスブックで見つけた「定年女子トーク」のコミュニティに参加し、そこから様々な学びの場に向かっていきました。そんな久美さんが参加した学びの場を紹介してくれました。1.オンライン形式の有料講座最初に受講したのが、オンラインのセカンドキャリア研修でした。講師それぞれが用意した資料をもとに、研修が構成されていて、資料は受講前に各自がダウンロードするのが前提です。講師によって資料の作り方も異なるし、ダウンロードした資料の出力も大変だし、自宅のPC前で受講するオンライン研修は、クラスメイトとの交流や雑談も難しく、ひさみさんの場合は、自身の性格には合わなかったと率直な感想を述べられました。ここはその人の事情や個性によって変わってくるところでしょう。オンラインだったら、女性限定など、いろんなセカンドキャリア研修が見つかりそうです。ひさみさんの場合は、この経験から、「リアルな学び」の重要性を痛感したと言います。2.公的機関の無料講座次に紹介されたのが、東京都が運営する「東京しごとセンター」の講座でした。「東京しごとセンター」は、東京都内での雇用・就業を支援するために、東京都が設置した「しごとに関するワンストップサービスセンター」です。55歳以上を対象にしたシニアコーナーがあり、そこではシニア世代に特化した「職務経歴書の書き方」「定年退職後の働き方を考える」などの講座が日々開催されており、ひさみさんはこの講座には心を大きく揺さぶられたと力説されました。無料にもかかわらず、受講者目線で丁寧に作られた資料や、高いスキルを持つ講師、そして何よりリアルな場で空気を共有することの価値を強く感じられたそうです。3.競争率の高い公的講座あちこちでいろんな学びを進めていったひさみさんが、最も強くオススメしたのが、「東京セカンドキャリア塾」でした。ひさみさんが入塾したのは毎週土曜日午前から午後まで、2カ月間というコースです。運営サポートが非常に丁寧で、講師陣もすばらしかったと絶賛されました。競争率が高い講座ですが、「同じ志を持った仲間」が一気に50人もできたことが、ひさみさんにとっては最も大きな収穫だったと言います。ひさみさんはこれを「弱い紐帯(弱い関係の結びつき)」の概念で説明しました。家族や同僚のような濃い関係ではない、講座で知り合ったような人脈から、さらにその先の知り合いへといった、弱い関係のつながりから、予期せぬ新しいきっかけや情報が得られることの重要性をそこで学び、仲間との語り合いや自主的な勉強会が大きな支えになっていると述べられました。東京都の「セカンドキャリア塾」は、5年くらい前から毎年夏以降に何回かに分けて募集があり、定年女子の中にも、この塾の出身者が何人かいます。 ●セカンドキャリア探求で気づいたことひさみさんのプレゼンテーションで印象的だったのは、様々な学びを経て、最終的に「再雇用」という道を選んだ理由でした。それは、セカンドキャリア塾の仲間からの「再雇用はセカンドライフを考える大切な準備期間であり、時間稼ぎになる」というアドバイスがあったからだと言います。また、長年続けてきた損害保険の査定の仕事が、専門性や交渉のセンスが活かせる「好きな仕事」であることに改めて気づき、この経験を活かしたいという思いが強まったことも明かされました。これまで55歳以上だった東京セカンドキャリア塾は、今年度から50歳以上に年齢が引き下げられたそうです。競争率がさらに上がると見込まれることや、交流を目的とするなら土曜日コースがおすすめであることなど、具体的な情報も提供されました。ひさみさんは最後に、かつては会社への不満ばかりを口にしていたが、様々な学びと仲間との出会いを通じて、「働くことは我慢することではない」「自分の仕事をどう捉えるかによって満足度が変わる」という大きな気づきを得たことを語られました。そして、その気づきが「この仕事に誇りを持っている」という現在の思いに繋がったと、力強く締めくくられました。 ●開催を終えて今回の定年女子カフェは、ひさみさんの体験談を通じて、セカンドキャリアを考える上で、単に情報を集めるだけでなく、自ら行動を起こし、様々な経験をすること、「仲間」と出会うこと、などの重要性を聞く機会となりました。特に、ひさみさんが示した「自己の再発見」というプロセスは、プレゼン後にも質問が集中したことの一つでした。多くの参加者にとっても大事なヒントになったことでしょう。ご参加の皆さん、どうもありがとうございました。 ★★★★★★ 【次回の定年女子カフェ オープン予定日】 ◇2025年10月11日(土)しゃべり会(オンライン) テーマ:これまでの仕事、これからやってみたい仕事しゃべり会はオンラインのみ(リアルなし)で実施します。皆さんのご参加をお待ちしています♪詳細はこちら◇2025年11月8日(土)とくいなタイム(リアル) テーマ:15回の引越しを経て、ジブシー、団地を買う(仮題)ただいま、告知ページ作成中です。