第8回定年女子フォーラムを開催しました(開催報告レポート)

【開催報告レポート】
第8回 定年女子フォーラム

定年女子のためのお金の勉強会 オンラインセミナー

「定年女子」のあいだでしばしば話題に出る「お金」に対する不安、疑問…。
定年女子(=長く働き続けてきた女性)にとっては、仕事で収入を得ることがあたりまえだったので、仕事を辞めたり、仕事を変えたりするタイミングで、お金のことが不安になる人が少なくありません。
そこで、定年女子のためのお金の勉強会を行いました。私たち定年女子それぞれの未来のために、定年女子それぞれが「私のお金」について学び、知るためのオンラインセミナー開催報告レポートです。

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●開催日時
2024年11月24日(日)    14:00~17:00

●開催形式
オンライン(Zoom)

●対象・定員
定年女子 50名
※昭和41年4月以降生まれ(報酬比例分0の人たち)を主対象とし、それ以前生まれの定年女子も参加可能

●内容
・ライフプランの基本
・公的年金について
・税金について
・ライフプランの立て方(個人ワーク含む)
・年金以外の社会保険について(医療保険(健康保険)、介護保険、雇用保険)

●講師
田中尚実さん
株式会社ライフブラッサム 代表取締役
千葉商科大学人間社会学部 非常勤講師
【プロフィール】
金融系シンクタンクで約15年の勤務を経て2005年に独立。研修・セミナー、相談業務を通して、その人がその人らしく生きることができるようサポートしている。企業向けには、ライフプラン研修、キャリアデザイン研修等の提供、個人向けには 人生やキャリア上の夢や目標の実現、また、お金の不安や心配事の解消のためのカウンセリングを行っている。保険、証券等の金融商品の販売を一切行わず、顧客サイドに立って情報提供やアドバイスを行うことを強みとしている。

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最初に講師から参加者に、「老後資金がどれくらいあれば安心と思いますか?」と質問がありました。参加者からはチャットで次々回答が入り、3,000万円が多いようでしたが、2,000~6,000万円、1億円という回答も、それを受けて講師からは「正解は私(講師)にはわかりません」と。

なぜなら、何にいくら使うか、どんな暮らしをするかは、人によって全然違うからです。
それをこれから見える化して、まずお金の概略をつかむことが今日の目的です、という説明がありました。

そこから、ライフプランとは何か、なぜ必要なのかの説明に続きます。お金は「生き方」とリンクするもので、子供の教育費など、家族の扶養の見通しもある一方、やみくもに節約したり不安になったりしては意味がないからです。

将来のお金を考える上で大事なのが公的年金ですが、この理解度は、定年女子それぞれでものすごく差があるのが実態。たまにとても詳しい人がいますが、多くは何がわからないかもわからないようなよくわかっていない人たち。そこで、公的年金の仕組みについてわかりやすく説明してもらい、そこから「ねんきん定期便」の見方をおさらいしました。

 今回のフォーラムでは、自身のねんきん定期便を持参して参加することが前提でした(パートナーが生計に関わる場合はパートナーも)。さらに、参加にあたっての事前課題がありました。
その事前課題とは、現在の収入と支出、資産と負債などの洗い出し等々。この事前課題が大変(汗)だったという人も多かったかもしれません。

ここからは、講師の説明を聞きながら、各自が実際に手を動かして、未来の収支バランスを試算する時間です。ねんきん定期便を見ながら、おさらいした内容に基づいて、講師の指示に沿って各自が電卓を叩きながら、ワークシートに記入していきます。

事前課題で整理してきた自身の収支や資産、負債も、このワークの中に入れ込んでいき、「見える化」させていくのです。いろんな数字が導き出されるたびに、ドキドキ・・・?!もし60歳で今の仕事を辞めた場合、自分が95歳まで生きる前提に立って、収入と支出がどうなっているのか?! いくらプラス?or いくら足りない?

これはまさに、人によって全然違うところです。入ってくるお金も違うし、出ていくお金も違う。お金のかかる趣味がある人、これから○○でお金がかかる人、お金をあまり使わない人、みんな事情は違うので。それでも、そのざっくりした数字が「見える化」されることで、将来の漠然としたお金の不安がやわらいだり、足りない分を対策しようと考えるなどにつながっていくのです。

このワークによって、これからの暮らし方や働き方を考え直すきっかけが得られる人もいたかもしれません。そこまでの各自ワークが終わったところで、講師からは年金受給を繰り上げた場合、繰り下げた場合にどうなるかの説明もありました。

次は税金の話。まずは所得税と住民税。そして、通常の総合課税と、退職一時金などにかかる分離課税、さらに公的年金にかかる税金などなど。所得が多くなればなるほど、税金も多くなることを確認しました。

 そこから改めて、自分自身のライフプランの作成について説明がありました。先ほど95歳まで生きる前提の収支をざくっと見たけれど、改めて今後の予定などを見ながら家計の推移を見ていくやり方です。

私たちはついつい、今月黒字か赤字かを気にしがちだけれど、これからのことを考えると、収入も支出も変化していくわけで、だからこそ、資産や負債を見ながら、手元の家計の推移はどうなっていくかを見ていくのです。そこでいろいろシミュレーションができるように、自動計算されるシートも共有されました。問題を見つけたり、対策案を考えたり、これからに向けて進んで行けそうです。

さらに公的医療保険や介護保険、雇用保険の話へ。
これらはあくまでも現時点での話で、国としてこれからどういう動きになっていくかは、引き続き注視していく必要もありそうです。

内容盛りだくさんで、約3時間みっちりの密度の濃い勉強会になりました。

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 参加者からは、
・ぼんやり思い描いていた将来が、現実的なお金の在り方と絡めるとアリアリと現実味が増しました。
・漠然とした不安を数字で明確化することで、具体的な行動や項目が見えてきました。
・参加したことで、意識が俄然変わりそうです。「見える化」することは大事だと痛感しました!
・知っていたこともよく知らなかったことも整理されました。
・これまでにも職場でこのような講習を受けてきましたが、ねんきん定期便を持参し、具体的な数字を入れて「具体的な収支額」を見たのは初めて。「見える化」ができたお陰で、具体的なイメージがわきました。
・「見える化」大切ですね。どういった項目に留意すればよいか確認ができてよかったです。
などの感想をいただきました。

この参加をきっかけに、いろいろシミュレーションしながら、ライフプランやキャッシュフロー表を作ってみたい、もう一度今日のワークをしようと思う、など、次の行動につながりそうな声も多数いただきました。

そして、
・生活費をどの程度抑えられるか、楽しみつつコスパ良い老後を送りたい。
・健康あってのライフプラン!
・お金の不安を払拭し、生き生きのびのびした暮らしができるようがんばります!
・ライフデザインをしていくひとつがお金、という考え方で今後も生きていきたい方向に沿ったシミュレーションをしていこうと思う。
などの声も。

2月11日に発表された今年の漢字は「金」。キンとカネの意味を含むようですね。
私たちにとって、本来お金よりも大事なことはいっぱいあるけれど。たかがお金、されどお金。
定年女子がこれからをごきげんに生きていくための知恵として、今回のフォーラムを活かしていただけたら幸いです。

ご参加の皆さん、どうもありがとうございました!