6/7に行われたアンコール開催『定年女子のためのお金の勉強会 オンラインセミナー』レポート

【開催報告レポート】
アンコール特別開催
定年女子のためのお金の勉強会 オンラインセミナー

「定年女子」のあいだでしばしば話題に出る「お金」に対する不安、疑問…。
定年女子(=長く働き続けてきた女性)にとっては、仕事で収入を得ることがあたりまえだったので、仕事を辞めたり、仕事を変えたりするタイミングで、お金のことが不安になる人が少なくありません。
そこで、2024年11月に第8回 定年女子フォーラム「定年女子のためのお金の勉強会 オンラインセミナー」を開催したところ、大変好評で、参加できなかった人たちから再開催を望む声が多く届いたことを受け、アンコール特別開催しました!

★★★★★★

●開催日時
2025年6月7日(土)    14:00~17:00

●開催形式
オンライン(Zoom)

●対象・定員
定年女子(=長く働き続けてきた女性)
※昭和41年4月以降生まれ(報酬比例分0の人たち)を主対象とし、それ以前生まれの定年女子も参加可能

●内容
・ライフプランの基本
・公的年金について
・セカンドライフ資金を把握しよう(個人ワークを含む)
・税金について
・ライフプランの立て方とキャッシュフロー

●講師
田中尚実さん
株式会社ライフブラッサム 代表取締役
千葉商科大学人間社会学部 非常勤講師 

★★★★★★

この勉強会のポイントは、参加に当たって事前課題があること。まず自身の「お金」についてひととおり把握してから参加することが前提です。その方が理解が深まるから。

理解を深めたいからと、前回に続いて再参加する人もいて、合計43名の参加申込みがありました。申し込むのがギリギリになった人は少々厳しかったかもしれませんが、早い人は1カ月以上前に事前課題が配布され、中には事前課題を進める段階から参加者の熱心さが窺えました。

また、参加にあたっては、自身の「ねんきん定期便」(パートナーがいる場合はパートナーの分も)と電卓を持参するのもお約束。参加者の年齢は49歳から65歳。平均年齢は58歳でした。

さて、開催にあたって最初に講師から「老後資金がいくら必要かと思いますか?」との質問。チャットの回答は、1500万~2000万、2000万、1億、5000万、4000万、3000万、と 次々いろんな数字が飛び交います。

が、それを受けて講師からは「正解は私(講師)にはわかりません」と。なぜなら、何にいくら使うか、どんな暮らしをするかは、人によって全然違うからです。それをこれから「見える化 」して、まずお金の概略をつかむことが今日の目的です、という説明がありました。

続いてライフプランとは何か、なぜ必要なのかの説明に続きます。お金は「生き方」とリンクするもので、やみくもに節約したり不安になったりしては意味がないからです。

将来のお金を考える上で大事な公的年金制度の概要、特に老齢基礎年金と老齢厚生年金の仕組みや受け取り時期(繰上げ、繰下げ)、年金額の計算方法などの解説の後、各自が持参したねんきん定期便 の見方についておさらいしました。

ねんきん定期便は、50歳以上と50歳未満で記載内容が異なります。また、加給年金や遺族年金についての説明では、いくつかの質問が飛び交いました。

ここからは、講師が提示したワークシートをもとに、未来の収支バランスを試算する時間です。ねんきん定期便を見ながら、おさらいした内容に基づいて、講師の指示に沿って各自が電卓を叩きながら、ワークシートに記入していきます。

事前課題で整理してきた自身の「お金」のいろいろをワークの中に入れ込んでいき、「見える化」させていくのです。前提は、もし60歳で今の仕事を辞めた場合、自分が95歳まで生きる前提に立って、収入と支出がどうなっているのか?! いくら余裕?or いくら足りない?

これはまさに、人によって全然違うところです。入ってくるお金も違うし、出ていくお金も違う。お金のかかる趣味がある人、これから○○でお金がかかる人、お金をあまり使わない人、みんな事情は違うので。それでも、そのざっくりした数字が「見える化」されることで、将来の漠然としたお金の不安がやわらいだり、足りない分を対策しようと考えるなどにつながっていくのです。

こうして全体観を把握してから、税金の話に移っていきました。まずは所得税と住民税。そして、通常の総合課税と、退職一時金などにかかる分離課税、さらに公的年金にかかる税金などなど。もしも収入が年金だけになったとしても、あとから税金が戻ってくる可能性があるので、確定申告を忘れずに、という話も。特に税金については、ふだん会社におまかせで会社員の定年女子にはわかりにくかったようで、質問が飛び交いました。

最後にキャッシュフロー表の説明です。実際のエクセルシートを使って、再雇用で仕事を続けた場合、たびたび海外旅行に出かけた場合など、具体的な例を示しながら、将来的なキャッシュフローがどのように変わっていくのかが示されました。

印象的だったのは、ライフプランは単なる金銭的な計画だけでなく、時間、健康、人間関係という資産を使った生き方のデザインだ、ということ。講師からは、自分の人生の主役として有意義な人生を送るように、というメッセージと共に会は終了しました。

元々盛りだくさんな内容ではあったのですが、途中で質問が飛び交い、後半は少々急ぎ足になってしまいました。キャッシュフローではさまざまな事例を用意してくれていたのですが、時間が足りず一部の紹介にとどまってしまったのがちょっと残念。ごめんなさい。

内容盛りだくさんで約3時間みっちりの密度が濃い勉強会になりました。また、資産運用や年金受給時期の選択についても話し合われ、個々の状況に応じた判断の重要性が強調されました。オンラインでの定期的な見直し会開催の希望も出ました。

★★★★★★

参加者からは、「とても勉強になった」という声が多く寄せられました。

具体的には、
・漠然としていた未来が、クリアになった。
・漠然とした不安も明らかになれば早めに対処方法を検討できそうなのでキャッシュフローを作成してみます。
・年金はあまりあてにならないと思っていたのですが、ワークをしてみて、これからの大事な収入になるとあらためてわかった。
・俯瞰で自分のお金を知る良い機会になりました。
・セカンドキャリアをスタートさせるための投資も検討しているので、自分の身の丈にあった生活レベルを見直していきたいと思います。
・何度か似た無料セミナーは受けていますが、一番実感が持てました。
・キャッシュフロー表はぜひ作ってみて、現在地から向かいたい未来に向けて計画を立ててみたいです。
・実際に手を動かす時間があってとても実感できました。
など。

キャッシュフロー表を作成する、と次の行動につながるコメントをくれた人も多く、終了後、実際に作成していろいろ数字を入れ替えながら、未来をシミュレーションしていると感想をくれた人もいました。

ご参加の皆さん、どうもありがとうございました!