7月11日(土)定年女子カフェのレポート
毎月第2土曜日に開催している定年女子カフェの奇数月は「とくいなタイム」(※)です。
7月の定年女子カフェは、定年を意識したのをきっかけにいろいろ始めた宮城ますみ(やぎぃ)さんを「とくいニスト」に迎え、ライフスタイル探し珍道中のお話とミニワークショップを行っていただきました。
※とくいなタイム:定年女子はみんな、豊富な経験や得意なことを持っている。その「得意」をちょこっと教えてもらう時間が「とくいなタイム」です。
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■日時:2026年7月11日(土)
1回目 13:30~15:30/2回目 16:30~18:30 ※リアルのみ開催
■会場:東京ウィメンズプラザ 視聴覚室A
■テーマ:「会社員の肩書はずし」ある定年女子のジタバタ物語
■とくいニスト:宮城ますみ(やぎぃ)さん
【プロフィール】
男女雇用均等法の施行後に入社し、バブルもカスっている年代。IT総合ベンダー勤務38年。職場での女性の生存率はほんのわずか…。社会人になった2人の子供は独立し、現在夫と二人暮らし。無事、この3月に還暦を迎えた。数年前は、60歳になったら会社をやめてやる!と息まいていたのが、落ち着くところにやや着地?!「定年女子、まだまだ途中経過であります」だそう。
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1回目(13:30~)の参加者は15名で半分以上が初参加の人、2回目(16:30~)の参加者は、11名。毎回急な体調不良や老親問題でドタキャンがあるのも、定年女子あるあるです。
いつものように参加者全員の自己紹介を行い、今日はどんな人が参加しているのかをお互いに確認し、そこから今回のとくいニスト、やぎぃさんにバトンタッチです。
やぎぃさんの入社当時、コンピューターは冷蔵庫くらいの大きさ!パソコンも社員1人に1台ではなく交代で使うような時代です。そこから約20年で1人1台の小さなスマホの時代へ。この大きな変化を駆け抜けてきたやぎぃさんの働く原動力は、自立へのこだわり。「自分で自分を、そして子どもも含めて養っていけるだけの仕事をずっと続けたい」という思いが、根底にあったそうです。
■定年にも男女差があると知るが…
働く女性のためのセカンドキャリア研修を立ち上げた知人からの誘いで、53歳の頃にプレ講座に参加し、そこで初めて「定年は男女で違う」という事実に、やぎぃさんは衝撃を受けました。就職や仕事における男女差は感じていたものの、定年という人生の節目にまで差があるとは!
当時の講座では「キャリア・お金・健康」が三本柱でした(現在は「介護」が加わり四本柱に)。そこでは、働き方のロールモデルや扱うお金の額などの男女差について知り、深く納得したそうです。ただ、当時は「マチュア」や「セカンドキャリア」という言葉がしっくりこず、この時点ではまだ具体的な行動には至りませんでした。
■親会社の吸収合併で職場環境が激変
55歳のとき、勤務先の会社の親会社が吸収合併されたのをきっかけに、35年以上携わってきた事業が廃業となりました。1000人規模の子会社で長年勤め、社長や役員の顔ぶれまで把握している環境で「あと少しでこのまま定年を迎える」と思っていた矢先の出来事でした。
仕事自体は継続したものの、廃業処理という混乱の渦中に巻き込まれ、お客様への謝罪や挨拶回り、後輩たちを親会社へ送り出す際の受け入れ先との交渉なども担い、忸怩たる思いもあったようです。その重責やストレスから、コロナ後遺症も相まって一時的に脱毛するほど。
同年代の男性同僚たちが早期退職して次々と転職先を見つけていくものの、やぎぃさんはなかなか決断できませんでした。就活のカウンセリングを受けるもののピンとこないまま、結局「残留」を選びます。
■正解を求めて迷走、迷走、迷走→副業開始
この頃のやぎぃさんは、エニアグラム診断など心理学系を学んで資格を取得したり、占いに通うなど、これから自分がどうするかの答えを求めて迷走した時期だったようで、自分の適職や資質を「誰かに教えてほしい」という気持ちが強かったと振り返ります。やぎぃさんはこれを「会社員病」と表現していました。
転機となったのは、「元気づけるのが好き」「応援するのが好き」という自分のキャリアの核(パーパス)に「エンパワーメント」という言葉を見出したことでした。ここから、社外でワンオンワンのキャリア相談を行う「キャリアメンター」を育てるアカデミー(BCMA)での資格取得に向けて学び、資格を取得後、その運営会社※からメンター業務を紹介してもらう仕組みで、そこからキャリアメンターとして副業を開始しました。今もメンターとして活動を続けています。
※BCMA(ビジネス・キャリアメンターアカデミー)は、10月17日開催予定の「定年女子フォーラム」のプラチナ・サポーターに決定しました。
■大学で学んだことで、染みついた減点思考に気づく
やぎぃさんは、57歳のときに青山学院大学の「ワークショップデザイナー育成プログラム」で学び直しをスタートしました。そこに集うのは若者から60代まで多種多様な人たち。定年女子のなかには、大学や大学院に入って学ぶ人も多いようですが、「勉強嫌いでせっかち」というやぎぃさんには、3カ月で修了できるこの学びが合っていたのだとか。
その学びで、長年のシステム開発の仕事で染みついた「正解は一つ」「100点以外は0点」という自分の思考のクセに気づき、経験学習を通じて「成果や正解は一つではない」という新しい価値観を得たことが、大きな転換点になったといいます。
■サードプレイスとの出会い
これまで「家庭か仕事」という二択、あるいはその延長にある転職といった、限られた選択肢の中でしか、自分の環境を変えられないと思い込んでいたというやぎぃさん。定年女子カフェをはじめとするサードプレイスとの出会いが、その世界を大きく広げてくれたと語ります。
以前、定年女子カフェは、日替わりで店主やイベントが入れ替わるシェアカフェで行っていたのですが、そこは人の交流を目的としたカフェでもありました。やぎぃさんは定年女子カフェ参加をきっかけにこの場所と関わるようになり、そこを通じて多くの人と出会い、今では自らワークショップを企画・開催するようになりました。今回の「とくいニスト」登壇のきっかけも、そこにあるかもしれません。「以前の一本道の人生では絶対になかった選択」だったと言います。
また、青学のワークショップデザイン講座仲間との出会いをきっかけに、一冊の本を分担して要約を持ち寄るオンライン読書会「ABD(アクティブ・ブック・ダイアログ)※」や、非言語コミュニケーションを味わう太鼓のワークショップなど、次々と新しい経験を積極的に取り入れているそうです。
やぎぃさんからは、ワークショップデザイン講座で得た考え方、経験学習は一人ではできない。支援者の力を借りながら、少しずつ自分でできるようになっていく、なども紹介されました。
※2020年のコロナ禍には、定年女子カフェでも勝間和代さんの著書や、NHK「100分de名著」で放送されたボーヴォワールの『老い』などを取り上げたABDを行い、盛り上がりました。
■ジタバタからの学びとこれから
やぎぃさんは、自身の「ジタバタ期」を振り返り、いくつかの気づきを教えてくれました。
・外に正解を求めすぎない、自分のことは自分で決めるしかない
・「100点以外は0点」という会社員的な思考から離れることで、気持ちが楽になった
・サードプレイスで出会う人が、次のきっかけを運んできてくれる
・「物理の法則」――やらないと何も動かない、片付けも読むだけでは進まない
・お金は、見ているだけ・持っているだけでは何も起きない。使う・循環させることに意味がある
そのひとつひとつに、納得する参加者も多かったのでは?
まとめとして、「計画された偶発性理論(プランド・ハプンスタンス)」というキャリア理論を紹介してくれました。キャリアの約8割が偶然の出来事によって決まるとし、ただ待つのではなく自ら行動することで偶然のチャンスを引き寄せる、という考え方ですが、目の前のことに一生懸命取り組んだ結果として道が開けていく、という感覚が、やぎぃさん自身のキャリアにもしっくりくるそうです。
現在やぎぃさんは、勤務先の社内でも「エンゲージメント活動」と名付け、20代の女性社員などを集めた自主的なワークショップを開催したり、BCMAを運営する株式会社Mentor For経由でキャリアメンターとして活動しています。また、開催日の翌週発売予定の書籍『メンターの教科書』に4ページほど寄稿する機会にも恵まれたとのこと。「ジタバタ時代を振り返ると、想像もしなかった貴重な機会」と、自身の変化について、実感を込めて語っていました。
さて、これからについては、「家族や自分の健康問題など、これから起こることを先読みして心配するより、起こってから考えたい」という心持ちを紹介し、エンパワーメント活動やコミュニティづくりへの関心、英会話など新しい経験への挑戦を続けながら、これからも学びと活動を楽しんでいきたいと締めくくりました。
■おまけのワークショップとディスカッションタイム
後半では、やぎぃさんが考えたミニワークとして「人生のスーツケースワーク」に、参加者が取り組みました。
人生の旅に出るとしたら、あなたは何を持っていきますか?
参加者各々が自分の持ち物を考えます。そこからさらに次の展開へと進むのですが、そこは参加者だけの内緒(笑)。テンポよく進むワークに、会場は真剣な空気に包まれました。
やぎぃさんによれば、これは自己効力感や、日頃どれだけ自分を大切にできているかが表れる、興味深いポイントとのことです。他人軸で過ごすことが多い人や自分に自信が持てない人ほど、「自分にとって大切なもの」を思い描きにくい傾向があると説明がありました。
ワークの後には、テーブルごとのディスカッションタイム。やぎぃさんの話やワークの感想で各テーブル盛り上がりました。
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「会社員の肩書きはずし」というタイトルの通り、長年勤めてきた会社員としてのアイデンティティを手放し、迷走しながらも自分らしい生き方を見つけていくやぎぃさんのリアルな体験談に、多くの参加者が自分自身の状況と重ね合わせていたのではないでしょうか。
とくいニストのやぎぃさん、そしてご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
文責:石崎公子
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【次回の定年女子カフェ オープン予定日】
◇2026年8月8日(土)しゃべり会 ※オンライン
テーマ:夏のひとり旅、行くならどこ?何をしたい?
8月の定年女子カフェは、オンラインのしゃべり会です。みんな大好き旅のお話をワイワイしゃべりしましょう。皆さんのご参加をお待ちしています♪
詳細はこちら
【先の定年女子カフェの予定】
◇2026年9月12日(土)とくいなタイム
テーマ:定年なく、カラダに関わる仕事へ ~転身のリアルと、季節の変わり目セルフケア~
詳細はこちら
さらに予告!
11月の定年女子カフェでは、7月のとくいニスト、やぎぃさんが学んだBCMA(ビジネス・キャリアメンターアカデミー)の講師が登壇予定です。ビジネスキャリアメンターに興味がある人はこの機会をお見逃しなく!
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